姫路 外構リフォーム 建築基準法違反の危険な塀の見分け方
2025年7月26日
姫路市で外構・エクステリア・ガーデン工事のキャリア36年「一級エクステリアプランナー」・「ブロック塀診断士」・「建築コンクリートブロック工事士」のビーズガーデン西岡です。
建築基準法違反の危険な塀のリフォーム例から、ブロック塀に関する法令等を解説したいと思います。

リフォーム前のブロック塀です。
①塀の高さは控え壁無しで6段・高さ1.2mまで、控え壁を設置すれば11段・高さ2.2mまで積むことが許されます。12段以上は法令違反です。
②控え壁は3.4m以内に設置する義務があり、両端から0.8m以内にも控え壁が必要です。控え壁の高さは塀より2段下がりまで許されます。
③控え壁の出幅は片面に設置する場合は40cm以上で、両面に設置する場合は20cm以上必要です。
写真の塀は10段積みですが控え壁が無いので違反となります。

塀の表面を見ますと途中で縦目地がずれています。
④既存のブロック塀に後からブロックを積み足してはいけません、当初の設計段数に対応した基礎に過負荷がかかるからです。
⑤ブロックの施工法になりますが縦筋・横筋は80cm以内のピッチで配置し、縦筋は一本物を使って途中で繋いではいけません。横筋を繋ぐ場合は直径の40倍の重なりが必要です。
⑥このブロック塀は目地が切れてきて、ブロック本体が自壊し始めていて塀としての寿命を迎えています。
この塀の場合は、控え壁が無い・ブロックを積み足している・縦筋が一本物でない、と何重もの違反したブロック塀でした。
しかし、この塀は姫路市内にあって阪神淡路大震災を乗り越えていました。
解体してみて分かったのですが、鉄筋が腐りながらも基準通りに配筋されていてコンクリートの基礎もフーチング(横への張り出し)がしっかり作られていました。
最初のブロック工事はきちんと施工されていて、後からブロックを継ぎ足した業者が知識が無く無茶な施工をしたものと推測されます。

古いブロック塀の解体後に配筋・基礎コンクリートの打設が終わったところです。
今回は地面の上に積む境界ブロックを積む工事ですが、 ⑦コンクリート擁壁の上に積む場合は擁壁の高さが1m以下の場合は擁壁+ブロック塀の高さが2.2mまでです。
擁壁の高さが1mを超える場合はブロック塀の高さが1.2m以下に制限されます。

クボタセメントのバリュー1を積んでいます。
今回はお隣との地面の高低差がほとんどないのですが、お隣より自分の敷地の地面が高くてブロック塀が土留めになる場合は注意が必要です。
ブロックを土留めにする場合は40cmまでと法令で決まっているので、それ以上の高低差がある場合はコンクリート擁壁か型枠ブロックが必要になります。
また地盤の固さや水はけを考慮して、土圧のかかる部分の配筋を縦筋40cmピッチ・横筋20cmピッチに補強するなどの工夫が必要なる場合があります。

リフォーム後の完成写真です化粧ブロックを6段・高さ1.2m、目隠しフェンスが高さ0.8mでブロックを1段近く埋め込んでいますのでトータルで高さ約1.9mの目隠しフェンス塀に改造しました。
ブロック塀とフェンスを組みあわせても塀の総高さは2.2mまでに制限されます。
控え壁を設置しなくて良いようにブロック塀を6段積みまでにして、フェンスの高さで調節して2.2m以下に高さを押えれば全く法令違反ではない連続フェンス塀が作れます。
老朽化したブロック塀や法令違反のブロック塀は鉄骨で補強するなどの方法がありますが、その場合は鉄骨の数年おきの塗装工事が必要になってきます。
塀は重量が軽ければ軽いほど耐震性が高くなりますので、下手に補強するよりはブロックと軽いアルミフェンスの塀に作り替えるのが経済的と思われます。
古いブロック塀がご不安な場合はブロック塀診断士・西岡が簡易診断・アドバイスさせていただきますので、ご相談ください。