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レンガの積み方って?

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レンガの積み方には、長手積・小口積・イギリス積・フランス等があります。

ここで注意が必要なのは、レンガの施工法上の強度の問題です。

レンガは一個一個の立方体をモルタルで下から順に積み上げていく工法を取ります。

一段毎に水平に積みますので、横目地は水平に一本繋がりますが(芋目地)、縦目地は 各段が繋がらない破れ目地という積み方をします。 これは元来レンガは鉄筋等の補強を入れずに、セメントの圧着力で全体を一体化して 強度を出すため、縦目地が一本に通っていると破断し易いために破れ目地にします。  

また積む厚みの件がありまして、前述の小口積み・イギリス積み・フランス積みは 基本的に一枚積み・一枚半積み用の積み方になる為、見る機会が少なくなりました。

現在では高いレンガ塀を作ることは珍しくなりましたが、以前はメインの構造体でしたので 高く積み上げて持つように、塀の厚みをレンガ一枚分(通常21cm)一枚半分(通常32cm)と 厚くしました。

この際いに、塀の表側と裏側のレンガの破断防止にこの三種類の積み方が 使われます。

立方体を縦横に組み合わせて、強度を増しているのです。  

逆に現在多い花壇や80cm以下の塀は半枚積み(通常10cm)の為、ほとんど長手積みです。

イギリス積みはがっちりと堅固な感じで、フランス積みは華麗で優雅な印象を与えます。

花壇や門柱の天端にワンポイントでコバ立積みや小口立積みを使っても綺麗です。

レンガのサイズも変わってきまして、長さ210mm x 高さ60mm x 幅100mm が標準でしたが 230 x 65 x 115の耐火煉瓦サイズや、230 x 75 x 113位の大ぶりのオーストラリアサイズが 主流になってきています。  

また前回書きました穴あきレンガで鉄筋補強する製品が増えましたので、半枚積み=長手積みが 主流になっています。  

後は積む職人の錬度の問題です。

小さなレンガを水平垂直にモルタルだけできちっと圧着させるのは、 なかなか難しく、色々な積み方や加工の技術を習得するには時間がかかります。

レンガ職人の積んだレンガは目地ではなくレンガ本体ごと割れますが、左官職人やブロック 職人の積んだレンガは目地ではがれる場合が多く見られます。

レンガを圧着させられる職人は、ブロックでも平板でもインターロッキングでも起用にこなします。 そうした職人が少なくなって、味のある仕事や作品が減ってくるのはさびしく思います。  

レンガを土間に敷く場合は、馬踏み・市松・アジロ・斜めアジロなど色々パターンはありますが 強度的な差はありません。

周りの雰囲気とマッチするパターンであれば問題なしです。  

レンガを施工する場合には、見えないところが重要です。(工事全般にいえることですが)

積む場合は、コンクリート基礎の大きさとコンクリート強度、敷く場合は路盤処理(掘削・砕石填圧) の深さが重要です。  

実際の施工では、見えるレンガ部分のコストはデザインによって一定ですが、見えない部分の工事費は 元々の地盤の強度や地質による処理の仕方で差が出てきます。

また、施工業者によって見えない部分に対する考え方がまちまちで、公共工事に準拠するような仕様の業者から ほとんど我流の業者までいます。  

住宅の耐震性能や耐用年数は話題になりますが、門・塀・花壇等の構造物の耐久性や経年劣化の件はあまり 話題になりません。  

例えばレンガやブロックを積む際のモルタルは、セメントと砂を混合して造りますが、海砂と除塩した左官用砂や山砂では 強度や白華の出具合にかなり差があります。(砂の価格も倍以上違いますが)

コンクリートの強度も160㎏/cm2が標準ですが、当社は夏場は180㎏/cm2で冬場は210~240㎏/cm2と早強剤を併用します。  

工事全般の問題点や設計・施工の一般的な知識や解説は、また改めて掲載したいと思いますが、見えるところは誰でも 綺麗に造りますので、見えないところが非常に重要であることを考えて頂ければ幸いです。